遠隔術中迅速病理診断について
 
 外科手術の約5%は専門医による手術中の病理診断が必要であるとの外科医を対象としたアンケート調査結果があります。 病理診断とは病巣部を摘出し薄切した物を切顕微鏡で拡大して細胞の形や並び方で診断する行為をさします。具体的には何処まで癌細胞を摘出したら良いかを手術中に臨床医が病理医に確認をとる場合などがあります。しかしながら、この病理診断を行なう病理医は非常に少なく日本には認定病理医が約1900人しかしません。この為、頻繁に手術を行なう中規模の病院であっても病理医不在の病院も多く、病理医が病院に出向き、その日に合わせて手術を行なったり、2度手術を行なうケースもあります。したがって、これらの問題を解決する為にこれまで遠隔地で病理診断の行なえるシステムの研究や開発が行なわれてきました。
  病理画像とは摘出した組織を薄く切り染色してスライドグラスに載せた標本を顕微鏡で拡大したものでCTやMRIの画像と異なりデジタルデータに換算すると数100Gbyteにも相当し、時には1度の診断に2枚3枚のスライド標本が必要な場合もあります。 従来の電話回線を使用したシステムでは、送信するデータに制限があり、目の前で顕微鏡を操作するようなわけにはいかず、診断を行なう病理医にとっては長い拘束時間と大きな操作ストレスが問題になっておりました。
  近年の日本は光回線の普及が目覚しく一般社会においてもテレビ電話に見られる動画通信の高質化にも目を見張るものがあります。 我々はNTTと協力し最新の動画通信技術をベースに顕微鏡遠隔操作システムを開発し、全く操作ストレスのない顕微鏡像の遠隔観察システムを完成させました。
  このシステムの技術的特徴として時差のない連続的な顕微鏡ステージの遠隔コントロールが上げられます。操作するコントローラーと画像に時差が感じるとそれだけで大きなストレスとなります。我々はこの問題を根本から解決いたしました。すなわち高品位で滑らかな動画像とTCP/IPを使用しないダイレクトな顕微鏡操作でノブがギアで動くような操作性を実現しております。又 リアルタイムで高品位な動画像は臓器の切出し指示までも行うことが出来、まさに術中迅速診断に必要な全ての機能を装備しております。これから機能評価を受けようとする病院にとっても協力なツールとなります。
※↓をクリックすると閉じます